ポメラニアン

ポメラニアンは、ふわふわの被毛が魅力の小型犬です。世界中で長い間人気を集めている極めてポピュラーな犬種です。毛量が豊富なので色々なカットが楽しめ、最近では柴犬のように短いカットを施したポメラニアンがネットで大人気となり写真集も発売されました。小さくて愛嬌があり、運動量もそれほど必要ないので、初心者にはぴったりの犬種だと思います。

ポメラニアンについて

ポメラニアンは、中欧のポメラニア地方原産の小型犬です。祖先犬は、スピッツ系に属する他の犬種と同じく、ロシアのシベリアなどでトナカイの番やカモシカ狩り、そり引きなどをする大型犬サモエドだと言われています。「ポメラニアン」という名前は、原産地のバルト海南岸の、3つの川に囲まれた低地であるポメラニア地方に因んで名付けられました。現在のポメラニア地方は、大部分がポーランドに、一部がドイツに属しており、この地方では昔から色々なタイプのスピッツ系の犬種が飼育されていたそうです。ポメラニアンは体躯の小ささから愛玩犬に分類される犬種ですが、もともとはジャーマン・スピッツのような中型の犬種で、そこから徐々に小型化されていき、現在のサイズになりました。国際畜犬連盟からもジャーマン・スピッツの一品種に分類されており、多くの国でツヴェルク・スピッツ(小さなスピッツ)として知られています。ポメラニアンが流行したきっかけは、17世紀以降に多くの王族が飼育を始めたことによります。とくに愛犬家として知られていたヴィクトリア女王が、小さな体躯のポメラニアンを愛好し、熱心に繁殖させたことによってポメラニアンの小型化に拍車がかかり、世界的な人気犬種となっていきました。ヴィクトリア女王の存命中にポメラニアンの大きさはそれまでの半分程度にまで小さくなったそうです。アメリカでは近年飼育数がつねに上位15位までに入っており、世界的な小型犬の流行に一役買っている犬種となっています。

身体の特徴

体重1.9㎏~3.5㎏、体高13㎝~28㎝ととても小さい犬です。小さいながらも丈夫で、ふわふわで豊かな被毛と、長い飾り毛のついた巻しっぽを持っています。首と背中はひだ飾りのような、お尻には羽根飾りのようなトップコートが密生しています。最初期のポメラニアンの毛色はホワイトがほとんどで、まれにブラックが見られました。ヴィクトリア女王は1888年にレッドの被毛を持つ小さなポメラニアンを飼育しており、19世紀末までこの毛色のポメラニアンは流行しました。現在のポメラニアンはホワイト、ブラック、ブラウン、レッド、オレンジ、クリーム、セーブル、ブラック・アンド・タン、ブラウン・アンド・タン、スポット、ブリンドル(虎毛)、そしてこれらのカラーのコンビネーションと沢山の種類があり、あらゆる犬種の中でもっとも多様な毛色を持つ犬種となっています。最近では単色の被毛に斑模様が点在するパターンのポメラニアンも出てきています。ポメラニアンの被毛は密生したダブルコートで、トップコートは長く荒い直毛、アンダーコートは短く密生した柔らかい被毛となっています。

性格

とても友好的な性格で、飼い主と一緒にいることを喜び、仲間の保護意識も旺盛です。活発で好奇心旺盛なので、何にでも興味を示し、ちょっとしたことにも首を突っ込んでくるところが可愛らしいです。元々が寒い地方の大きな犬(サモエド)を改良して作られたこともあり、小型犬ながら度胸もあります。陽気な性格なので、誰とでも仲良くできるタイプです。飼い主に対する愛情も深く、知性もあるので躾けの覚えも早いです。但し、可愛いからときちんと躾けをしないと、飼い主に対する依存が強くなりすぎて、一人でお留守番できなくなったり、我儘な性格になったりします。環境の変化に敏感なので、放っておくと無駄吠えしたり、攻撃的になることもあります。とはいえ、きちんと躾けをしていれば飼い主に従順で可愛らしく、家庭犬にはぴったりの犬種だと思います。小さいころから他の人や他の犬に触れ合う機会を多く作り、社会性を身に着けさせると扱いやすい子になってくれるでしょう。

飼うときの注意

日頃のお手入れ

ポメラニアンは室内犬なので、基本的には室内の運動だけで問題ありません。ですが、とても活発な性格なので、飼い主が沢山遊んであげたり、気分転換にお散歩に連れて行ってあげるといいと思います。骨が細いので、飛び降りるなどの激しい運動をすると骨折することもあるため気をつけましょう。お散歩よりも大事なのが、ブラッシングです。ポメラニアンは被毛が多く、抜け毛も多いので毎日ブラッシングする必要があります。トップコートは柔らかく細い毛なので毛玉になりやすいため、コームやスリッカーブラシを使って優しく梳かしてあげましょう。無理にブラッシングすると毛が切れてしまうこともあるので注意が必要です。シャンプーは月に1回~2回、必要に応じて行います。その他にも定期的に専門家にお願いしてトリミングしてもらいましょう。

気を付ける病気

ポメラニアンの平均寿命は12歳~16歳程度です。適切な食事を与え、適度な運動をし、定期的にトリミングを行っていれば問題はほとんどなく、とても丈夫な犬種と言えます。ですが、小型犬に多い膝蓋骨脱臼と気管虚脱を発症する場合もあるため注意が必要です。気管虚脱は気管支障害に起因する呼吸障害で、通常であれば筒状になっている気管支が扁平化して気道をふさいでしまう病気で、ガチョウの鳴き声のような咳が特徴です。運動に耐えられない、短時間失神する、興奮すると咳がでるなどの症状があった場合にはこの病気と考えられます。また、まれにではありますが「黒斑病」と呼ばれる遺伝性の皮膚疾患による脱毛症を発症することもあります。メスよりもオスの方が掛かりやすいと言われていて、性成熟期以降に発症することが多いのですが、あらゆる年齢で発症する可能性があるため、もしかしたらと思ったら早めに受診しましょう。黒斑病と似た症状のある疾病としてはクッシング症候群、甲状腺機能低下症、慢性皮膚感染症、生殖ホルモン疾患が挙げられます。その他、オスのポメラニアンは稀に停留睾丸にかかることがあります。この場合、停留している睾丸を手術で摘出する必要があります。眼が大きいので流涙症などの眼の疾患にも気をつけましょう。

マールのポメラニアンに見られる病気

単色の被毛をベースに、ブルーやグレイの斑模様が点在する「マール」と呼ばれるパターンのポメラニアンが近年作出されました。マールの場合、瞳、鼻先、肉球の色が他のポメラニアンとは異なり、瞳はブルーで鼻先と肉球はピンクとブラックの斑模様となります。このマールのポメラニアンは軽度から重度の、難聴、高眼圧症、屈折異常、小眼球症、虹彩欠損症を発症しやすいことが分かっています。両親ともにマールのポメラニアンから産まれた犬であれば、さらに骨格異常、心臓異常、生殖異常のリスクも高まります。

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